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「人間は変わろうとすれば、変われるものだよ」と「人間は変わらないものだよ」の二つの言い方が聞こえます。矛盾するように思えますが、そのとおり矛盾しているのです。芸術の運命を追っても、人間は矛盾した生き物だとわかります。舞台芸でもいえます。

「僕は人前に出て目立ってはいますが、実は生まれつき引っ込み思案な性格です」という言い方。これつまり、引っ込み思案な性格と、前面に出て社交的にやる行動に、さしたる相関関係がないことを示します。

1968年から数年で世界一に成長したイギリスのロックバンド、レッド・ツェッペリン。神がかったシャウト系ヴォーカリストのロバート・プラントは、極度のあがり症でした。ステージ前の心理負担に関して記述が残っています。しかし「トップであんなに目立って、よく言うよ」。

引っ込み思案とあがり症は相関しますが、結果は引っ込んでいません。YMOの坂本龍一にもその傾向があったと伝わります。舞台では華やかでも、一個の人間として皆が類似し地味だという真理です。これに初めて気づいたのは、大学入学で寮の新歓コンパでした。

司会者の上級生が射撃同好会の長なので、お開き後に入部する打ち合わせで部屋へ行きました。ついさっき大勢の前で盛り上げていた司会者なのに、地味で真面目な学生に変わっていて、舞台と舞台裏のギャップを感じました。人は折々によく変わるし、よく化けるものです。

「人間は変わる」「変わらない」は、異なる次元で起きる性質かも知れません。脳内に宇宙的な思考順路が張られている感覚はあります。表現物が生まれる時には、変わる部分と変わらない部分を巧みにスイッチしながら、拡張したり違う性質に化けるわけです。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?