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以前から先延ばししていた歌曲の編曲を、最近進めています。山田耕筰(1965没)作曲、三木露風(1964没)作詞の『赤とんぼ』。この曲の魅力は故郷を感じる歌詞なのは間違いないとして、二回上昇するサビのメロディーが決め手だと思えます。

「け、こやけーのー」と「て、みたのーはー」で二回高く舞い上がる。このメロディーはパクリとされた騒動があり、シューマン作曲『ピアノと管弦楽のための序奏と協奏的アレグロニ短調作品134』の途中部分と全く同じ音階です。影響以上の関係があるとわかります。

切り抜き方が巧みなので、今は世界でよく歌われ演奏されるそう。二回高まる部分も含め、劇的に上がり下がりして音域が広いので、みんなで気軽に歌って楽しむには難しい異色の童謡です。それでピアノやギターなど和音が出せる楽器演奏に向きます。

その歌いにくい展開は、ジャズコードによく合います。ジャズコードとはジャズをジャズたらしめている最大の特徴で、正体は不協和音です。たとえば「起立、礼、直れ」のC、G、Cのような素直な和音ではなく、複雑にひねった違和感のあるミックス音程です。

共通する和音が使える曲に、アイルランド民謡『ロンドンデリーの歌』があります。後にあてられた歌詞の頭を曲名にした『ダニー・ボーイ』という別名。本来はラブソングで、戦地に息子を送り出す両親の思いによく解釈されます。

どちらも「ディミニッシュコード」と呼ぶジャズコードが合うのです。「セブンスコード」も加え、起伏が激しく劇的に流転する曲調となり、「ふるさと」「望郷の思い」が伝わります。「C調」と呼ぶ、フォークソングの穏当で平和な雰囲気と異なり、ドラマチックで芸術的。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
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