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少し難しい話ですが、地方のアートフェスティバルは、現代美術の立ち位置を暗示します。はっきり言えば、メインでないサブの位置。ルノワールにくらべ、ポロックはオプション的に感じるあれです。

大都市を離れた現代アートフェスティバルには、弱い立場同士タッグを組む作戦とする本質論があります。許されざるものが、許される場に集結するというか。悪く言えば、都落ちといえなくもないビミョー。国民の目に映る現代アートは、言ってみればB級グルメなのです。

そうなってしまう一因は、現代美術の活動が若者中心な点です。実際には長年作った高齢ベテラン作家もいますが、イメージは若者の世界が先行します。現代アートは、駆け出しで未熟で刹那的。青春の一コマを刻んでやがて出演者たちも卒業する前提の、今だけ感がありあり。実際とは違う、そうした国民の先入観があるのです。

話を変えましょう。アメリカの音楽フェスティバル『ウッドストック』で、ロックは一般化しました。隔離されたアングラを脱し、一般社会にコンテンツが普及してA級化を達成。ロックはみんなの資産へ。これにならって現代美術も、日本で一般化できないかと考えます。

欧米国で、現代美術はA級の一流扱いで花形です。アートフェアと呼ぶ特設市場は、純粋に売買が目的で。メーンエベントの大型フェア会場を中心に、プロ画廊や臨時ギャラリーが並び、アート週間がつくられて。しかも年に2回や4回も。全て現代美術なのがミソで、過去より現代に入れ込むのが欧米です。

日本の現代美術は『ウッドストック』フェスティバルを延々と繰り返しています。なのに一般化せず、青春が長引いています。「もうひとつの美術の台頭」へと、いつの間にかまた戻っていて。何年たっても新参者の立ち位置のまま。もうやり方を変える必要があるのです。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?