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あらゆる職業人は、自分の責務を業界への貢献と繁栄に広げます。日本国民は特にそうした社会性が強いのかも知れません。日本人温厚説へのカウンター的にスパイト行動が言われますが、堅固な仲間意識の国民性の方が大きい。だから自己責任で単純化したら失墜しました。

フォークグループのアリスの谷村新司が先日亡くなり、追悼でどの曲がベストかの話題で、『チャンンピオン』が一番との声が多かった。この曲はラブソングでなく、闘うアスリートの男を描写した異色の曲です。チャンピオンの年輩ボクサーが、若い後進に倒され引退する筋書き。

チャンピオンの選択肢のひとつは、チャンピオンのまま引退してベルト返上し、勝ったままボクサー人生を美しく終える道です。しかし現実のプロ選手は、闘い続けて敗れ去ることが多い。もちろん勝てそうな自信や、ファイトマネーやプロモーターの都合もあるでしょう。

しかし大筋は男の世界。勝ち逃げは美談にならないという、オスの論理が隠れているとみていいでしょう。かつて自身が若いチャンピオンになれた日に、相手をしてくれ敗れた年輩ボクサーも脳裏に残っているかも知れません。

曲の歌詞で、敗退した元チャンピオンが「普通の男」に戻り、サバサバした安堵が顔を出します。これは多くのボクサーのみならず、スポーツアスリートの本当の実感だという。若い後輩が業界の主役になるよう、自身が敗れる儀式をつくってやるかたち。

ええカッコして自分を飾るより、カッコ悪い役に回り表現する。ファンの願いをかなえながら、世代交代の舞台で準主役を演じ物語を完結させる。権力や権威が全く採点されない世界で、勝って防衛に成功する夢にも賭けながら。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?