fc2ブログ

-
「管理通貨制度」は現代の財政手法ですが、この語が知られず理解されにくいのが世界の現状です。特に日本は、これを知らないせいで主要国で唯一の貧困化を、国民が許して飲んだ状態です。「失われた34年」の平成大不況は、管理通貨制度に背いて生じています。

管理通貨制度とは政府が信用貨幣と呼ぶ自国の借用証書を発行し、そこに書かれた数字が財源になるという方式です。世界で延々と誤解されていた「お金」の意味を、本来の正しい原理に戻したやり方です。お金に困った国が隣国に攻め込み、お金を奪う理屈が消えました。

各国の政府はお金を無限に発行できます。ただ増えすぎると金銭価値が下がるから総体的に物価が上がる。そこでデマンドプル型インフレ率(コアコアCPIやGDPデフレーター)を監視して、消費ブームの過熱や爆買いで起きる物価上昇率の高騰に注意を払うのがノウハウ。

お金と版画は似ています。多く刷れば一枚の価値が下がりますが、枚数に反比例して下がらない点が重要です。なぜなら版画を欲しい人がいる限り、画家は強気価格を維持でき値下げがいらない。二倍の枚数を刷れば半額に落ちる計算にはなりません。

現代の自国オリジナル通貨を「信用貨幣」と呼び、材質自体に値打ちが不要です。政府が運営される限り、国民や外国政府がお金の価値を認めます。価値を保つ決定的な仕組みが納税義務です。政府が与えたお金の一部に返済義務を設定すれば、国民は当然欲しがります。

政府が企業や国民に信用貨幣をばらまく作業がまんま成長戦略になり、公共投資額は経済成長の数字に足されます。ばらまかないと経済成長しないわけです。管理通貨制度の理解度が低いリーダーたちがばらまきを停止し、世界は「同時不況」、日本は「失われた34年」というわけ。
関連記事
スポンサーサイト



現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?