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せっかく来たのに、現代美術展がつまらないと感じる。それは鑑賞者の不勉強が原因ではなく、現代美術の作られ方にある種の集団的偏向がある場合が多いという問題です。偏向が全般的だとすれば、見て納得の人と落胆の人に分かれたままなのもおかしくない理屈です。

現代美術は同人化されぎみで、鑑賞者の入口は最初から小さいのです。そして、現代美術を理解する本やガイドがたくさん出され、どれも個別の入口へ鑑賞者を引率しています。現代美術の独特のハードルの高さは気のせいではなく、制作の私的関心の片寄りに由来します。太古の遺物や古典名作とは、また異なる障壁があります。

それは要するに、作り手と鑑賞者で欲しいものが食い違っているからであり、人々が求めるものが現代美術に抜けている問題です。現代美術家がやりたくてウズウズしている部分が、鑑賞側にはさしたる価値を持たないという、すれ違いがあるわけです。ただしこの件は新旧アートの世代対立に話がそれがちで、適切にかみ分けた論は珍しいのでしょう。

本書では、現代美術家がやりたいことを多様に記していますが、鑑賞者が求める「多様化しない共通部分」「普遍的な核心部」も書いています。現代人が現代美術に足りないと感じるものを、突き止めておく必要もあるからです。きれいさが足りないとかじゃなくて。「時代遅れの人にはつまらない」と、簡単に片づけるのをやめる方向で。

第6集に収録
抽象絵画
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?