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著者が企業にいた頃は好景気で、毎晩仕事仲間と地下レストランへ夕食へ行きました。いつもの女性従業員が、厨房で皿を落として割ってしまい、我々が帰る頃にもまたパリンと落ちた音が聞こえました。

「今日は朝から三回目だ、おかしいぞ」と、店長の不機嫌な声も聞こえます。とはいえ食器や急須など磁器類は熱膨張を繰り返すだけで材質が疲労し、いずれ取り替えざるを得ない消耗品です。もっとも床に落ちるハプニングが不自然に連続するなら、理由は気になります。

そもそも事故が起きやすいのは、急いでいる場合です。家の中で早足で歩くと足の小指をぶつけやすいし、腰がテーブルに激突とか、頭が柱にコツンとなりやすい。階段を踏み外したりや転げ落ちるのも、たまたま小走りぎみな時に集中します。

「今日はなぜか事故が続く」というなら、普段より動作がハイテンポなはず。事故を起こさない心がけ、気をつけて行動する内訳は、ゆっくり行動することです。何となく事故を回避するのは困難で、スローペースが最大の対策です。

そこで考えたのは、著者の結論「芸術の特徴は表現の裂け目である」を実践する近道として、絵を急いで描く作戦はどうか。スピードを上げて制作中に事故を起こせば、突破口がみつかるかもというわけです。画面内にトラブルを呼ぶために、作業をハイテンポにする。

たとえば音楽では、理想の条件で作ったアルバムは凡作が多いのです。むしろ訳あり事情で自由がきかず、さっさと駆け足で録音した場合に、意外に永遠の傑作が多い結果論があります。手抜きだと疑われるまいとして、後日談として初めて出る情報ですが。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?