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著者は若い頃から企業のトップを敬遠したりせず、わりとよく話をしたものです。というのは、人間の一人一人は特別な存在ではなく、共通した感覚でみんなが同じように思考し、普通に煩悩も持ち、たいしたものではないと見込んでいたせいもあります。

釣りバカ日誌的ではなくても、何かを切り口に話題を持ちかけることが多かった。そして実はどの企業でも、トップは孤立して浮いてしまいがちなのです。理由は、上の人間なのでよそ者みたいに敬遠され、部下との情報共有ができにくいから。

よくあるのはトップが現場の実情を知らずに何かを改良し、使いものにならなく悪化させる失敗。上司による現状変更の指令で結果が悪く出るケースは多い。現場の効率が落ちて業績悪化とか。現場で時間をかけて築いたバランスこそが、正解であることが多い。

上司の思いつきに対して、部下は「上は偉いから逆らえない」を大前提として、意見せずに悪手を受け入れて従ってしまうのです。それでいて陰では「上は何もわかっていない」とヒソヒソ悪口を言っています。

現場事情の全てを知る者と半分を知る者で、結論が180度逆になるのはよくあること。現実主義にくらべて、理想主義は単純に間違った妄想であることも多い。人類は理想を脳内設計しては、求めて転落することが実は多い。戦争も、一人にとっての夢が高じて生じるものです。

美術制作も理想から出発するよりは、もっと身近な感覚や土着的な世界から出発する方が、中身が詰まったものになりやすいことは、絵画塾を通して知りました。言い換えれば、人は皆テキトーに絵をかいた時点で独自性が出ているのです。制作のゴールは遠くにはないということ。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?