仕事ができない人を説明する動画だらけ【平成デフレ不況の理解不足】

ネット動画に多いひとつが、だめ人間を糾弾して啓蒙するテーマです。『仕事ができない人の特徴6つ』だとか。主張者は不景気の時代に生まれた若年が多く、平成大不況の「失われた34年」にイライラし、労働者の無能ぶりが不況の原因だと勘違いした自称エリートたちです。

不況の原因を働き方だと思っている時点で、現代世界の構造をつかめていません。経済低調の起点は日本は1947年、世界は1979年です。日本のデフレ不況は、1997年4月以降の緊縮財政と消費税増税が原因です。サボる人など関係なし。

世界は「サッチャリズム」で同時不況が続きますが、日本は1941年の真珠湾攻撃への進駐軍の報復「普通国債発行禁止」で1997年から経済失墜しました。日本だけは、動物のオリに入れるエサを飼い主が減らすことで起こした飢餓状態です。中の動物を批判しても意味がない。

日本の経済衰退だけは二次大戦後のWGIPがらみですが、世界は「ケインズ主義＋ナショナリズム」を「新自由主義＋グローバリズム」に取り替えてからです。まず英で貧困基調の格差拡大を急進させ「ゆりかごから墓場まで」の福祉を倒し、三次大戦へ進む荒れが止まりません。

サッチャリズムの根底に経済学の瑕疵があります。1970年頃のオイルショック（中東の原油生産統制）で起きた世界的な悪性コストプッシュ型インフレを、「景気の上がりすぎ」と誤認した「英国病」の処方が、国を失墜させた後に実は嘘だったと分析されています。

嘘に乗じて「株主資本主義」が先鋭化し、労働者の賃下げが世界で吹き荒れ、どの国にも外国人や外国帰りのオピニオンリーダーが政界の中枢に入り、当該国の資産価値を売り崩しました。日経平均株価が最近高騰したのは、ファンドが下げて買い上げて売るトレード戦の一環です。