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だまされている人に「あなたはだまされている」と教えると何が起きるか。取り返しがつかない場合ほど、「だまされてなんかいない」と抵抗する心理が起きてしまいます。これは未練がましさなのか。

著者は昔少年雑誌の巻頭特集「シールがすごい」を見て、通販で購入したことがありました。オートバイのイラスト図のシールなどとともに、足跡のシールも買いました。「長さ30センチの特大の足あと」と大書きされていました。

しかし届いた封筒は小さく、中味も小さいものでした。測ると11センチ程度しかありません。30センチとあったのに11センチに縮んでいる差の意味が、小学4年生の頃わかりませんでした。その後30年たった頃にも、まだ事態が整理できずにいたことを覚えています。

要するに30センチという大書きされた文字は全くの嘘でした。子どもをだます目的で、15センチでも20センチでもなく30センチという虚偽の数字で読者の目を引いたわけです。要するに詐欺商法でした。

「商品のどこにもない30センチは、何か訳ありだろう」と、判断保留のまま放置した自分を、後に不思議に感じたのです。よく似ているのが、郵政民営化にだまされた国民です。郵便局の全てが悪化したのに沈黙して話題から外すのは、大きい嘘ほどよく通る現象なのかも。

心理学では、自分が判断を誤った間違った選択を認めまいとする、自己弁護の思考だと説明されています。だまされた者は、だまされてなんかいない理由を探そうとけんめいになります。通販のシールで、人間の心の弱さを確認したものでした。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?