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世界が経済成長する間に日本だけが経済衰退し続けた「失われた34年」は、GDPの横ばいとマネーストックが増えないレア現象です。実質賃金が低下した。この国力減退は「需要の縮小」が原因だと表現されます。その「需要が小さい」とはどういう意味でしょう。

「需要と供給」と対になる語があり、何となく難しい印象を受けます。実は簡単で、需要とはお金の量、供給とは商品の量です。「日本は需要不足」とは、国民のサイフが軽い意味です。お金を刷り足す量が少ないせいで、一人一人の可処分所得が小さい意味。

国民のサイフを重くすれば需要が大きくなります。お金を持つ者は物やサービスを買うからです。日本以外の国は、自国通貨を国民にばらまいて、国民に色々と物を買わせて、コロナ恐慌のデフレ不況からV字回服させ、企業を倒産させずに済みました。

2000年前後から聞く「日本は物余りで飽食の時代だ」はフェイク報道です。物余りは買う金がない貧困化の証明。商品をいくら値下げしても、政策で金欠にされた国民は買い物しません。物のだぶつきは金欠現象であり、飽食時代でなく貧困時代です。

日本で耳にする経済の一般論に、正しい言説は何もありません。近年は「国民にお金を持たせても、買いたい物なんてあるの?」の声も聞きます。しかし所得が増えたのに、何も買わずにため込む庶民こそあり得ない。需要と供給の関係を、識者は理解できずにいます。

人々がスーパーカーを買う気がないのは、金がないからです。買う金があれば1台買い、もっと金があれば2台3台と買います。美術も同じで、貧困国だから絵画を買う需要も細い。可処分所得が大きいなら、自宅を美術館にするコレクターが増えます。私立美術館。それが人間。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?