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「物ごとは思ったより複雑だ」という説と「思ったより単純だ」という説は、多くの事物に両方とも同時にあてはまります。矛盾したかのようにみえます。複雑怪奇かつ単純明快。典型例が国の経済成長です。

「思ったより複雑」がいえるのは、国の財源は実は通貨発行権であり、お金を発行できる上限は国産品の総量で決まるのです。さらには通貨を払って開発すれば、国産品は増加します。因果が循環します。好循環か悪循環か。自動補正はないから、狂い出せば狂い続けます。

「思ったより単純だ」の一例はこうです。たとえば親子関係で、親が子に渡すこづかいを、子が親に納付して用意するわけはありません。同様に国民が働いたお金を国に納付して、それを資金にして国民に給仕する順序はコントです。通貨発行権を個人は持たないからです。

「思ったとおり複雑だが、意外に単純だ」は、芸術も似ています。絵画の芸術性が抽象か具象かで違ったり、分野ごとにまちまちに変化するのはまずおかしい。皆さんは複雑にこね回しすぎて、覚えごとが増えすぎて鑑賞不能に陥っています。

その反動で「要は好きか嫌いかだ」と単純に割り切り、作者の人柄などにずれ込みがちです。人物の好感度を評価基準にすれば、どんな鑑賞者も新創造なんて嫌いに決まっているわけです。なじみがない上に反逆的な芸術は、ノスタルジックでないから印象が悪い。

つまり芸術鑑賞のひとつのコツは、好き嫌いの排除です。好感度をあてにすると芸術に迫れない。実は経済学が嘘だらけの学問なのは「お金が欲しい」思いが除去しがたい理由もあります。個人の損得が先に立ち、事実を見ないようになる心理現象です。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?