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日本のデフレ不況は、緊縮財政と消費税増税で通貨削減して、一人一人の所得をわざと減らした現象です。その初期のプロセスで、個人主義と能力主義を強いて、人事評価も能力給や目標達成制度などへ改革しました。この脱日本のススメで、企業業績は落ち外資に買収されました。

動物のオリや虫かごに入れるエサに相当する通貨を削減した上で、内部をどういじっても死滅が約束されて当然です。そこに「個人ががんばれば全体が大きく成長する」と虚偽の指南を受けると、好景気を未体験の若い世代は毒されていきます。

インフレ好況の昭和と、デフレ不況の平成令和では、集団行動が多かった昭和の方が一人の人間が届くレベルは高かった。平成に組織帰属否定や社畜批判で個人主義を強めると、逆にレベルが落ちたパラドックスは多くが体感したことでしょう。

たとえば建築設計の例ですが、著者がいた建築コンサルは大手で、コンセプトを書いてCAD作図を指揮し、机上の作業を経て、完成した建物の巨大さに感心したものです。施工業者も複数で大JVを結成し、大勢が力を合わせた成果は大きいものでした。

一人一人は一角で部分に関わるだけでも、トータルに見て学び合う過程があるから、体験量は多くなります。その会社でかつていっしょに仕事をした秀才の後輩が、零細な事務所に勤めた後で再び手伝いに来たことがありましたが、デジタル化にも遅れ経験不足に陥っていました。

「社蓄」の語もプロパガンダ用です。協調性で『ジャパン・アズ・ナンバーワン』(1979)となった日本の強みを崩すレントシーキングの一環です。美術分野でも、個人が分断され孤立した制作では、人間の能力が引っ込むものです。美術にもインスパイアの量と質が欲しいところ。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?