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現代抽象画と近代具象画は、まるで水と油の関係です。が、実は共通した悩みでつながっています。具象画について今昔をくらべるだけでも、昔の方が生きた線の出現が多いのです。日本の近代洋画の古典的な有名どころは、意外に生きた線を引きまくっていた事実があります。具象か抽象か以外に、線の生死でも絵は二分できます。

絵画で、ある形式が長期間作られ続けて、当初は線が生きていたのに、全般にだんだんと線が死んでいき、ついには死んだ線ばかりで描かれる現象が世界中にみられます。陶芸でもそうです。あげくに、線の生死を見分ける人もいなくなって、どっちでもよくなってしまうパターン。

その過程で、生きた線の豊穣感や生モノ感が目にさわり、嫌う逆転現象が起きます。硬くて無表情な線に感覚が合う変化です。音楽でいえば、デジタルシンセサイザーやシークエンサーの打ち込み系になじめ、なまなましい生楽器をうっとおしく感じるような。食品なら濃厚さが気になって、特徴が薄まった加工食品が食べやすい、あんな感じかも。

生きた線がめっきり減って、線の死んだ絵が主流になる現代。これは、作者が難易度その他によって失敗しているだけではなく、鑑賞する側も軽薄短小へ嗜好がスライドしていくせいではないのか。カニより、カニふうカマボコが主流になる変化。背後に人類史の大きい流れがあるとして、文明問題を含めています。

第3集に収録
抽象絵画
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?