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日本で起きている物価上昇を「インフレ」と呼ぶのは、今や全く間違いといえるものです。というのは、インフレには二種類あり、良性のデマンドプル型インフレと、悪性のコストプッシュ型インフレは、善悪が正反対だからです。

良性インフレは、自国通貨のばらまきで生じる買い物ブームで、製造者や店が強気価格に値上げする現象です。儲けは多少でも従業員に還元され、所得が上がります。悪性インフレは石油や小麦の原価が上げられ、上昇分の儲けは輸出国が全て得るから、日本は貧困化します。

この二つを分けずに単に「日本にインフレが起きている」と言っても、無意味です。似ているのは体温の上昇です。良性インフレは、運動して起きた体温上昇だから、冷水シャワーをあびたい。しかし悪性インフレは、感染症にかかった体温上昇に似て、水あびは絶対だめ。

日本銀行をめぐるせめぎ合いは、感染症の体温上昇に対し日銀が温水をかけ続けたのを、「世界にならって冷水をあびせろ」とそそのかしています。日銀だけが正常思考で、他は狂った暴走です。それで日銀叩きがブームだったわけです。

2000年代からよく聞いた「世界同時不況」は、前回の世界的なコストプッシュ型インフレである1970年代の「オイルショック」が起点でした。大阪万博の直後に不況に入ったのです。その後は便乗した新自由主義によって、世界は貧困化と格差拡大を強いられました。

画像が出回る「アフリカ国の飢餓」もそうで、グローバル穀物メジャーの策謀です。コストプッシュ型インフレで気をつけるべきは、メーカーや店は被害者だから、値上げ批判が無意味な点。対策の正解は通貨ばらまきです。しかし新自由主義がその救済措置を妨害するのです。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?