fc2ブログ

-
1円と4円の関係が二つありました。ひとつは道に落ちている1円玉を拾うなという説です。拾うためにかがんで立ち上がるのに、人体が消費するカロリーが4円分になるから。

もうひとつは1円玉の製造費が4円かかる説でした。作れば作るほど損するという発想で、国のやることは意味不明の無駄が多いものだとして、昔から疑問が言われてきました。

当然ながら、1円玉の製造に何円かかろうが、問題はありません。製造コストが高すぎるなら工業力が足りない問題として合理化の対象になりますが。製造費が1円を超えてしまうから無意味だというのは、近世の金本位制より前からあった「金属主義」の誤りです。

1円玉の機能は、市場で売買する際の端数を決済するための道具で、単にツールです。採算を合わせないといけない商品とは違います。昔のようにお金に物質の価値を持たせる方式が「実物貨幣論」「商品貨幣論」と呼ぶ思想です。

イギリスの「ソブリン金貨」が典型です。金貨の価値は、黄金の含有量で決まるレアメタルの価値と、記された額面が示す信用的な価値の二つが交錯しているのです。レアメタルの価値を省いたものが本当のお金の意味であり、「信用貨幣論」と呼ぶ現代の高度なお金です。

「だったらお金は刷り放題で増やせて、おかしくね?」と疑問を持ちますね。それはミクロの思考であり、個人の打ち出の小づちは違法です。自国通貨は政府だけが発行権を持ち、国民に供給するお金を国債と呼びます。数字だけで姿がない、見えないデジタル版画です。
関連記事
スポンサーサイト



現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?