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インフレの報道が間違いだらけなのと、日本の激しい貧困化は根が同一です。貨幣経済の誤謬であり、経済学の教科書が天動説のまま放置されているとばっちりです。経済学は今もゴッホ以前の時代のビッグネームが仕切った世界的な悲劇です。

物価の上昇をインフレと呼び、相対的に通貨の価値が下がる現象です。お金の価値が下がると、高級車や応接セットやピアノや天体望遠鏡などが順調に売れます。逆が日本に起きていて、インフレ好況でなくデフレ不況とわかります。金融緩和を続ける日銀はガリレオの立場です。

皆の認識不足は、良性インフレと悪性インフレの二種類がある点です。良性インフレは、需要牽引の「デマンドプル型インフレ」です。お金をばらまくと起きる消費ブームで、製造側の労働の付加価値が上がっての経済成長です。

悪性インフレは、原価押し上げの「コストプッシュ型インフレ」です。石油や木材の高騰で、値上がり分は原産国の中東やロシアが儲かるだけで、日本は付加価値を失う経済衰退です。70年代半ばの悪性インフレは「狂乱物価」と呼びました。

美術にたとえると、良性インフレは画家の人気が出て、絵が高く売れる現象です。画家も画商も収入増です。対して悪性インフレは、キャンバスの輸入木材や画布の高騰で、値上げした増分は日本には入りません。画家も画商も、収入は横ばいか減ります。

コロナ後半と、ロシアウクライナ戦争の原油や鉱物の高騰は、もちろん悪性インフレです。日本は通貨削減でデフレ不況の中、さらに経済急落して生活苦です。「石油高騰の恩恵で、日本もやっと待望のインフレ率2%に届いた」は、間違ったあべこべの論説です。そっちは狂乱物価。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?