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ラジオの音声ドラマでは、社会背景や風潮の描写は一般的な世論どおりが多く、今日の不景気を背景とした回でやはり出てきたのがこれです。「バブル時代に国民がぜいたくをしたせいで、今のような不況になってしまった」と社長さんが嘆くくだり。

昭和末期の好景気で一万円札を使いすぎたから、平成時代に一万円札が枯渇して出せず、それで貧困化した説明です。むろん真っ赤な嘘です。嘘を支える思想を「財源論」「貨幣のプール論」「金本位制」と呼びます。お金を有限と見立て、総量一定と考える間違いです。

現代の正しい作法を「管理通貨制度」と呼び、元々はお金の本流がこれです。これを近代に再整備したのは、イングランド銀行だとされます。管理通貨制度では、お金は国境単位で区切られ、各国の政府が自国通貨を発行して国民へ供給します。要は、お上が人々にばらまく。

すると人々はあれこれ買うから企業が発展し、これが資本主義の基本形です。自由主義経済だから個人が手に入れるお金に多い少ないが生じ、多すぎる者の爆買いで商品が消え、過剰インフレを起こす懸念が残ります。そこで、所得が多い者に一部捨てさせる命令が徴税です。

お金を捨てると聞けば、私たちは柔軟に納得できませんが、税金は納税時に廃棄される会計処理です。納税と同額の公債発行が省かれるから、昨年のお金を捨てることで新しい供給分を減じています。画家が一図柄の版画を、多く刷りすぎない配慮と同じです。

ラジオドラマでは、富裕な好景気の後には、貧困な不景気が来る摂理を言いたげでした。富裕化のせいで貧困化するとの曲解です。永久に貧困ならお金が使われず、貧困化しないという混乱した思考です。実は日本では現実に、この混乱した意見が民意です。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?