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今時の日本で、戦争がテーマの美術を作る者はかなり少ないでしょう。著者には戦争に関係する画がいくつもあります。ピカソが描いた反戦画『ゲルニカ』『朝鮮の虐殺』などは、表側の戦闘と殺りくをビジュアルに表しています。

しかし現代の戦争は兵器の道具争いの面がある上に、背後の仕掛け人の代理で動いているものが多く、領土争いの勝負とは離れたところで別の計画が進んでいる実態もあります。そこまで戦争の意味が広がっているとともに、計算されデザインされる戦争です。

たとえば著者の作『クライシスアクター』では、被害を芝居する俳優がモチーフです。「この戦争は誰が悪くて、誰が被害者でかわいそう」を印象操作する任務です。こうしたマインドコントロールの情報戦さえ、戦争画に含めて考えたくなります。抽象的な残酷さです。

ロシアがウクライナを攻撃している戦争は、もちろんロシアの犯行として全て責を問われるでしょう。しかし前々から論説されてきた裏で動くメカニズムの軸に、新自由主義とグローバリズムによる資源争奪戦があります。解体後のソ連から西側が搾取した伏線があります。

ロシア・ウクライナ戦争では、軍事同盟NATO(北大西洋条約機構)が年月かけてロシア側へと迫り、プレッシャーをかけた流れも焦点とされます。しかしこのプレッシャーが実は戦争と直接は関係ないとすれば、ウクライナのミステリーは想像以上の多重構造です。

大きな紛争には本一冊で説明しきれない要素が詰まっているから、解説は長く資料は膨大になって、皆が断片的な理解になります。それで話を落としやすい一般説が作られて、「わからない」「理解できない」部分が省かれ欠落していくのです。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?