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著者は建築計画と設計デザイナーとして、都市計画や地域計画に何度か関わりました。いわゆる「まちづくり」ですが、日本の建築教育に常にある良心がありました。初段のサーヴェイ作業で歩いて、当地の伝統を探し回り、捨てないで引き継ぎます。

これは日本の行政が求める「スクラップ・アンド・ビルド」、取り壊しては新築する方針へのカウンターになっています。行政に対してノーと言う視点が、特に大学の地域計画学の根底にあります。

具体的には、まず神社や寺や祠(ほこら)、一里塚や地蔵や石碑などを丁重に保存します。あるいは古くからあるビジュアルシンボルや怪しい一角なども、長年のイメージが受け継がれるようにふるさとを演出した上で、現代的に進化させる手法です。

過去を捨て去らないこの手法は、欧州各国が古い街並みを捨てずに持ち続ける、その歴史性へのあこがれがあります。日本で百年前からの建物は珍しいけれど、海外に築百年ならありすぎます。「古建築」の定義も内外で違います。

そうして各所に日常性や界わい性、雑多で多様な要素や、遊びとゆるみを加えながら、大筋は合理的な機能主義に整えます。高度都市の冷たい印象と、心理抑圧をなくそうとして。しかし役所の論理で多くがボツにされ、お堅い実施設計に直されますが。

このアプローチは芸術作品づくりにも似て、超未来的な作品であっても古典的な要素も含むという、伝統と創造の極意のようなものに通じるでしょう。平成の新自由主義経済とグローバリズム、緊縮財政と消費税で衰退する日本で、まちづくりの変化を案じることもあります。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?