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毎週バナナを買っていますが、風味が気になります。ブランドによって味が少しずつ違い、買う時期でも違い、いつ食べるかでも変化します。バナナは植物であり生物なので、味や風味は割り切れる単純なものではなく、混濁しています。

バナナの風味は、いわゆるバナナ味の甘いあれだけではなく。植物的な青臭さ、酸っぱかったりするものもあり、ある種の下品な香りも含まれます。割とよく感じるのは、火薬類かセメダインのような接着剤に似た香りです。

お菓子のガムにバナナ味が多いけれど、ああした純粋なフレイバーではなく、やっぱり農産物の香り、草と土の香りがついて回るのが本物なのです。バナナらしい風味が強い品種が商品として残ったのでしょうが、生物であるからダーティーでもあり。

だからか、バナナは嫌いという人も案外います。ぬるぬるした果物系の野菜なので、メロンとともに苦手で食べない人が意外にいました。芸術を連想させるところがあります。芸術もまた純粋でなく、雑多な香りが複雑に混じってダーティーです。

純粋に楽しい絵、純粋に悲しい絵は、まず時の審判で芸術名作から外れます。純粋培養したようなクリーンで清潔感のある作品は、歴史名作からは脱落していく傾向です。味が複雑に入り混じった作品の方が残っているのです。

歴史名画も、楽しいがかげっているとか、悲しいが未来を感じるなど、二律背反が同居する作品に集中しています。つまり芸術には農業的な面がやっぱり強く、工業製品のように不純物を除去した作品は長く関心を持たれないように思えます。
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Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?