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最近報道に出てきたのが、アメリカのドルがデフォルト(債務不履行)する危機です。バイデン大統領も弱気発言でした。もちろん、自国通貨がデフォルトする確率はゼロです。アメリカは自国通貨のドルを、よそから借金するわけがありません。版画家が版画を借りないのと同じ。

政府は自国通貨だけは自在に発行できるから、金欠はお芝居です。が、自在であれ商品(物やサービス)よりもお金が多すぎると超インフレになるから、そこが上限です。増えたお金は消費に回るので、価格上昇します。商品の生産力を高めたら、お金をより多く増やせますが。

ならばアメリカの債務不履行危機は何か。通貨発行の目安とする「財政規律」と呼ぶ自主規制です。インフレ率の制約は5%台なら大丈夫で、6%はだめともいえず、あいまいです。そこで上限の合図を複数設けておく用心です。

よくある財政規律は、国債発行残高(償還前の公債合計)をGDPの2倍までとするルールです。これは古典経済学の迷信が由来で、仮に20倍でも問題はありません。「自国通貨は借金して買ってくる」式の時代錯誤を根拠とした、なんちゃって制約です。

個人でたとえれば、1日にテレビを見る時間を2時間と決め、見すぎたら債務不履行というわけ。大地震が起きれば6時間でも見続けたくなり、ルールを変更します。変更は任意だから、債務不履行危機はヤラセであり、「ドル発行は節度を守っています」のアピールです。

美術にたとえるなら、版画を刷って手元の在庫数が1年の売れ数の2倍を超えれば破綻するという、トンデモ条件にすぎません。しかし経済学は今も天動説的な古典経済学派が主導するから、破綻の危機を真剣に信じる人もまだ多いアメリカです。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?