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映画でラストが近づき、ストーリー全体が一気に見通せる瞬間があります。「全てに恵まれた者が、必ずしも有利でもないし、勝利が約束されてもいない」などと、その映画から導かれる教訓が浮かんできます。

ところが、俳優がその結論をしゃべってしまう映画があります。「全てに恵まれた者が、必ずしも・・・」のセリフを、登場人物がしみじみと語り出すのです。蛇足ではないかと感じることも。「映画全体で言いたいことを、主人公がしゃべる必要があるのか」と。

監督にはジレンマもあったでしょう。何が言いたい映画なのかをわからない観客もいる。理解が不完全な人を救済するサービスとして、映画で自分が伝えたかったことを、主人公の口から言わせたのだと。

映画の意図がつかめない観客に言葉で説明するのは、果たして芸術的にどうなのかという議論にもなるでしょう。言葉説明が先行すると、人は考えることを怠る傾向があるでしょう。画一的な思考の拘束も起きるかも知れません。

これは美術品でも常にジレンマになります。絵に説明なんか必要ないという意見は、一般的にもよく聞かれるものです。もし絵画の画面の一角に文字説明がついているすれば、かなりダサい作品だと感じます。

映画パンフレットには試写を見た評論家が説明を加えていて、ある程度解決されています。映画の中にくどい説明は昔から不要でした。そういえば日本映画『犬神家の一族』などは、トリックの不明点に関して今もネット質問が多く寄せられています。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?