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レバノンのベイルートで大爆発が起きた、あれからもう1年です。爆死や家が失われた被災者を救うお金が、今はないそう。「国のお金がない」という現象は、日本では国を家庭になぞらえて、出費が多すぎて底をついたのだと全く勘違いされています。

その誤解が福島原発が爆発した伏線でした。カギになるのは、通貨発行の上限を決めるパラメーターとなるインフレ率です。各国の政府はお金を発行できるから、不足すればボタンを押して増やすだけです。レバノン政府もレバノンポンドを発行し、支払いに使います。

なのに、レバノン政府がお金を用意できないのはなぜか。お金の量が増えた時、そのお金を使うあてがないと、価値が下がる原理があります。市場に増えたお金で買える国産の商品が少ないと、発行したお金の価値が落ちます。政府が解散していなくても同じ。

レバノンは戦争と内戦とで、産業を育て損ねており、国産品が少ないのです。たとえば車やオートバイを買うなら、ドイツ製や日本製の輸入品になります。しかも痛いことに食料を輸入に頼り、輸出品が少ないのでレバノンポンドは固定為替制を強いられ、外貨建て国債が必須です。

アメリカ、中国、日本のように通貨を大量に増やす自由は、レバノンにはない。物価が上がり、お金の価値が下がる過剰インフレが起きます。「お金がある国」は所持金ではなく、追加発行できる金額を指し、国産品の規模で決まります。お金は抽象概念なのです。

すると、日本の勘違いが説明できます。日本はレバノンと逆に国産品があり余っているのに、レバノンと同様に自国通貨の発行を放棄している状態です。レバノンと同様に重要拠点が爆発した当たり前の道理です。日本とレバノンの関係は、分析すればお笑いコントです。
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Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?