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女子プロレスラーのテレビでの言動をSNSで非難するうちに、女子プロが気に病んで自殺していた事件。警察はさらに調べて死を強要した脅迫者を摘発するそうです。SNSの怖さを言う声が多いのですが、テレビの怖さも大きいといえます。

怖さの正体は洗脳効果です。この話は何度か書きましたが、テレビのバラエティ番組に出演した人の第一印象は「何が何だかわからなかった」です。いつ撮影したのかわからず、スタジオでの体験とは異なる番組ができあがります。リハーサルと撮影の境界がわからない。

撮影時は、番組の仕上がりと全く違う進行です。ディレクターが出演者にちょこちょこ指示して発言させ、リハでも撮っています。後の編集で組み上げます。誰かのギャグを笑うタレントの顔は、それ以前の時間帯の別映像を切り貼りしたり、時系列どおりでもありません。

ディレクターは台本を用意し、誰に何を言わせるか改良しながら進めます。当然タレントの発言は本人の実像と違うし、台本に沿って非常識な言動で混乱させる盛り上げ役も決めてあります。外国人を集めた討論でも、変則発言して笑いをとる国代表を決めて言わせます。

ありのままの事実だと視聴率がとれないから、誇張や嘘を混ぜ波風立たせ、出演者全員の芝居も同然です。そんな虚構なのに「こいつはひどい性格だ」「けしからんから叱ってやる」と本気で受け取る視聴者が現れます。映画の悪役俳優を個人的に憎むのと似た洗脳効果です。

テレビ番組も映画に近い創作表現であり、視聴者に真に迫る力が価値といえるでしょう。しかし演技なのだと思わずに現実だと信じる者が犯罪に走る危険度が、ネット時代に高まりました。ネットの話題の多くは、実はテレビ関連ネタだという背景もあります。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?