FC2ブログ

-
ネットのヒーローは論破が好きなタイプが多く、2ちゃんねるの創始者も論破の達人としてよくあげられます。議論というものに、日本人は屈折した思いがあります。著者はかつてコンピューター会社にいた時、歳下から本を紹介されワンセット買いました。

その本は巨大な財を築いた超有名人の人生訓集でしたが、読んで驚いた一項目は「議論はよくない」でした。アメリカ人はきっと議論好きで、さっそうと主張する声のでかい人だと思いきや、日本人みたいな繊細な人だったのです。

当時の日本でもよく耳にしたのが、「日本人はもっと議論しよう」でした。個人の意見を言わない国民性や、上意下達で動くひかえめ態度が、世界には通用しないという。海外帰りたちの体験談によく出てきた戒めでした。

ところが議論の殿堂たるアメリカの大富豪は、「議論はよくない」と言うのです。議論の定義が意見の出し合いか、論破の勝負かで違いますが、大富豪は論争の意味で言ったのでしょう。口での言い合いは大ざっぱすぎてアナーキスト向けだ、なんて意味はなかったような。

日本でよく体験しますが、「君はそう考え、僕はこう考える」という価値観の並立にならないのです。相手が改心するまで言い詰める傾向が強い。他者の封殺へ向かいがちです。美術にもこれがみられ、官展系と在野に分けてきた洋画の伝統もそんな感じです。排他的。

「色々あるよ」なら展覧会はアートフェアに向かいますが、正を選んで誤を除去する発想が根底にあるせいで、上が下を指導する公募コンテストの方式がとられている疑いがあります。「間違えた絵は除去して、正しい絵だけを相手にしよう」は、日本で今もその傾向が強いのです。
関連記事
スポンサーサイト



現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?