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小学校四年の時に書道の授業が始まり、著者も道具を買いました。最初の授業の日まで、著者は全く勘違いしていました。硯(すずり)で墨を擦(す)る意味を誤解していたのです。黒い液状の墨を入れて、粘度を調節するために棒でこすり、気も静めると思っていました。

なので先生がヤカンで水を入れて回ると、透明の水で字を書いて意味があるのかと疑問に思ったのです。だまされたと思って墨をすりました。指で水に触れると「あっ黒い」。字の黒はこする棒から溶け出て、それで棒が減るのだと、この時初めて知ったのです。

やってみるまでこんな誤解を続けていた理由を、後で色々と思い返しました。おそらく「すりこぎ」「すりばち」の知識がじゃましたのです。すりばちにゴマを入れて、すりこぎでこすった時、細かくつぶれるのはゴマです。すりこぎではありません。

すりばちの内壁のギザギザで、すりこぎの木を削って粉末に変え、木粉を食べるのとは違う。第三の存在であるゴマをつぶす家庭の作業から類推して、硯に入れるのは黒い液だとばくぜんと妄想していたわけです。「なーんだ、そういうことか」。

似ているのは日本の国家財政です。家庭の一万円は、国の一兆円と同じと誤認する人が多いのです。実は全然違い、両親は一万円を発行できませんが、財務大臣は一兆円を発行できます。発行できる立場で、不足に泣くわけがありません。大勢がここを誤解し国を家庭にたとえます。

お金を使う役の政府が、お金を発行する役を兼務する、この道理についていけない人の続出は、台所の家計をよく知るせいです。すでに心得た知識がじゃまします。政府がお金を使いまくれば全体量が増えるのに、家庭のようにケチケチ節約して、貧困で衰退しゆくあわれな日本です。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?