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10年以上も前のネット掲示板でみた論争です。「物ごとには、正しいものと間違ったものがある」「間違ったものを禁じれば、正しいものが残る」「そうする努力が、社会をよくすることになる」と若者が投稿したスレッド(議題の提示)でした。

ある程度歴史を知る者は、ヒトラー、スターリン、ポルポトの方法論がそれだと理解しています。未成年が立てたらしく、世の正邪が固定した前提で考えていました。「間違ったものが通る社会だと、絶対に不幸になります」と食い下がっていました。その若者は、世界史は善悪が逆転する歴史だと教わっていなかったようです。

美術史を広く学んだ者なら、今天才画家扱いの傑作が、当時はショボい扱いだったと知っているでしょう。一例が『モナリザ』です。芸術大賞も何もない、ただの凡俗な記録用肖像画の地位でした。当時の売れっ子ではなかった。それを後にフランスのナポレオンが入手して・・・

国会議員の記者会見で、政府に厳しい質問をあびせる表現力不足の女性記者が、閉め出されていました。世界の記者団や報道倫理グループは、日本に悪評をつけています。対して日本国民の反論は、「間違った者を排除して何が悪い」「正しくないから排除されるわけだし」。

日本人が気持ちのよい意見に身を寄せる傾向は、緊縮財政による貧困化と並行して強まりました。好景気の時代は「こんな意見もあるんだ」の番組が流行しました。意に沿わない者も泳がせておく時代は、金回りがよかった頃です。実は大正時代もそうでした。

同様なのが、日本だけで続いている美術展覧会の方式です。正しい作品と間違った作品を仕分けする発想です。「間違った作品を除去すれば、市民は正しい作品だけを相手にできる」という考え方が、日本で支配的だとわかります。要は、イエスマンだけに一本化したいわけか。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?