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日本国民は反語表現が苦手で、それが芸術にとけ込めない大きい一因です。だから国内に反語ネタがほとんど見当たらないのですが、たまには出てきます。松岡充いわく『長く続けているロックミュージシャンに、ろくなヤツはいない』。ロックとろくを引っかけたんじゃなくて。

これに対して、「このやろう生意気な」「ならば名バンドXXもろくでなしなのかよ」「先輩へのリスペクトがない」「何様だと思っている」「おまえの方がろくでなしの役立たずだ」と誤読の嵐。誤読の別系統は「それも一理ある」「自虐ネタで来たか」。

説明するまでもなく、「ろくでもないロック野郎」はロック魂の原点を忘れない強豪を指します。企業戦士や役人の対極です。既成の枠組みからはみ出ている要素を指して、ろくなやつでないという名誉称号をつけているわけです。へりくだりや自虐ではなくて。

英語圏では「バッド」「クール」「ファンキー」がだいたい通るのに、日本では活字の字面どおりの生真面目な反発が多すぎて、芸術的表現を送り出す側にも、鑑賞する側にも障壁になっています。

「ちゃんと美術って字が書いてあるだろ、美しくない絵なんて矛盾してるだろ、だからこの汚ない色の絵はアウト」で片づく日本の制約です。それで変な絵をかく人も、人並みの美の範囲につい引っ張られて古風に向かいやすいのです。そういう惜しい作家も、今探しています。

ただ掲示板の意見の上位は、「ろくなやつはいない」は反語だと正しく解釈して、敬意と受け取っていました。「やばい」と同様の受け取り方でしょう。これは文学の影響かも知れませんが、音楽雑誌も大きかったでしょう。反転した意味の表現は、国語の教科書にもありました。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?