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著者は生物の進化論に関し、一時多くの本を読みました。ネットがない時代で、今より布教プロパガンダもゆるい頃。布教プロパガンダとは、神が人間をつくった創造説を唱える宗教の視点で拡散させた宣伝を指します。「進化論は科学的に否定済み」という宗教保護用のデマです。

顕著な衝突はアメリカで、神が人間をつくったと州の小学校で教えるのは憲法違反だとする訴訟がありました。うちの子に神話を教え込まないでという告発です。背景はキリスト教徒の多さ。ロシアや中国にアンチ進化論が多発しないのは、神が流行らない国だからでしょう。

著者が注目したのは誤解の多さでした。「人は猿から進化したなど僕は信じないぞ」の怒りは空回りです。なぜならダーウィンの仮説は「人と猿は共通する生物から分岐した」であり、「人の祖先は猿」とは書いていません。読者は自ら誤読してカッカしています。

「キリンの首はなぜ長い?」の仮説でも、「高い木の葉を食べようと首を伸ばすうちに首が伸びたのが進化論だ」と誤読されています。「誰がそんな馬鹿を信じるのか?」「俺が首を伸ばしても身長は伸びないし」と、誤解釈した進化論への非難が集まります。

そもそも「キリンが背伸びして首がストレッチされた俗説は嘘だろ」と唱えた人が、ダーウィンだったのです。ダーウィンの説は「偶発の突然変異が有利にはたらき、適者生存を獲得した」自然選択説です。たまたまの事件がサバンナで有利となり、首が長い個体が残った仮説です。

めちゃくちゃ多い誤解は、進化イコール高度化という早合点です。能力向上やグレードアップに話がそれるという、劣性遺伝と似た誤読です。その後は傍証の研究が進み、進化論は定説となっています。進化の突然変異は芸術の現れ方に似ており、誤解も似ているかも知れません。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?