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日本で美術が低迷する理由ですぐ思い当たるのは、美術界がかもす独特の高尚な雰囲気です。しかし現実の市民レベルの美術鑑賞で、ネックになっているのは写実デッサンです。模写デッサンの腕前が芸術なのだとした定義が間違っていて、理解が閉ざされる現象です。

具象に写実デッサンはあっても、抽象にはありません。だから抽象美術は鑑賞不能となり、入口でいきなりチンプンカンプンになります。陶芸には写実デッサンなどないから、絵と陶芸で芸術とは何かを分けて考えるはめになり、高いハードルになり疎遠になっていきます。

似た現象が経済にもあり、たとえば消費税を0パーセントにする案が与党議員から出されました。しかし国税の定義が間違っているから国民は理解不能です。間違った定義とは財源論です。税金で国の出費をまかなうという、荒唐無稽な解釈です。「財源はどこ?」式の勘違いです。

国税の役目は「貨幣の信任」「インフレ率の制御」「所得格差の縮小」「悪行のけん制」と主に4つあります。独立国にはひとつ以上自国通貨の発行権があり、お金をいくらでも刷れるから、国の予算を執行する財源づくりは、そんな概念からしてあるわけがないのです。

自国が発行元である円は使い放題だと、国民は理解すべきです。しかしお金を土地やレアメタルや名誉のような、かけがえのない貴重品だと信じる日本人は、コロナウイルスの死者数よりも対策費の膨張におびえています。それで、今も消費税が国の屋台骨だと勘違いしています。

これは、写実デッサンを芸術だと信じた瞬間に、アートの全てで誤解になだれ込み、説明不能で放棄する現象と似ています。世界の物理構造をテーブル状の平面だと認識したり、人が空中に浮く現代宗教の人気にも似て、洗脳効果のような根の張り方です。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?