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ポピュラー音楽には音作りの歴史があります。音づくりとは、楽器の種類と演奏法に、録音機材も含め音質の時代色もあります。1960年代にくらべて、1970年代の音楽は音づくりが腰高になりました。60年代はダンダン鳴っていたリズムが、70年代はタンタンと軽く乾いた音に変わりました。

理由はいくつもあり、まずベースギターの奏法にサムピッキングやチョッパー、タッピングが生まれ、スタッカートを多用したこと。そしてレコードへ入れる演奏時間が伸びた分、溝のゆれを小さくするために、ベースギターの音量を小さくしたのです。

それは技術面ですが、やはり社会が軽快な音楽を求めた面があったでしょう。しかし80年代にはもうデジタル録音になり、そして世界的な景気向上です。20ヘルツの重低音も大きく録音できるようになり、ゆったり朗々と深々としたゴージャスな音に変化しました。

ちなみにその音作りを率先したのは、フュージョン系のデイブ・グルーシンだという説がありました。ところが90年代に、急にアコースティックベースが増えたのです。ポピュラー音楽のスタジオ盤録音は、スタジオミュージシャンが行い、そこも生楽器のブームです。

ジャズ系とロック系の混成曲が増えたからでしょうか。流行語となったアンプラグドを経て、日本の歌謡系も世界の流れどおりです。70年代のフォークグループはアコースティックベースを使っていましたが、40年もたってまたアコベの曲が増えているようです。

コマーシャル曲でも、アコースティックな曲が増えています。木質の生音が電磁ピックアップで再現が困難と、大勢が耳で感じているのでしょう。進歩主義的な、より無機質に宇宙的にとはなっておらず、ふるさとを思わせる音楽に戻っています。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?