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バブル時代は悪い時代だったと若者は思っていますが、実は異なります。バブル時代は国民がたくさん体験し、たくさん学べた時代でした。若者の大半が車を持ち、異性交遊が盛んなイメージに隠れがちですが、物知りになれた時代でした。海外と国内旅行とも流行ったし。

バブル時代の前夜に起きたのは、国鉄民営化や電電公社民営化でした。これは新自由主義経済の民営化思想であり、競争原理を導入して価格破壊でデフレに向かわせる政策です。

デフレにしたら国が滅ぶと恐れるのは、現にそうなった今の感覚です。当時は物が売れてインフレだったから、消費を冷却する必要でデフレ化を行いました。物の売れすぎを心配する幸せな時代だったのです。

その前夜に流行ったキャッチフレーズが、「おいしい生活」でした。広告コピーライターの糸井重里の発案で、日本語としては間違いですが、誰もがわかるおもしろ概念で理解されました。「アホか、生活をどう食べるんだ?」とマジになる人のいない寛容な時代です。

好景気だと、抽象概念を理解する心のふところが大きくなります。鑑賞する気持ちに余裕ができるのです。昭和末期の広告を集めた記録サイトや動画を今見直すと、浮かれてぶっ飛んだ時代に感じるのは、今の時代感覚が狭く縮んで閉じこもるせいでしょう。令和時代は暗い。

著者は「芸術の特徴は表現の裂け目である」という、「おいしい生活」みたいな言い方を考えた時、もっと簡単な言い方も検討しました。表現の裂け目とは、キャンバス画の布をナイフで切る話ではありません。二律背反のような意味です。美術の価値は、具象画さえ抽象領域にある話をしてきました。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?