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集合体恐怖症


著者の個人的な制作流儀の話を少しだけ。たとえばCG画に、同じ形状をいくつも並べた部分があります。しかし並べる個数は少なくしています。同じ部品をあまり多く繰り返しません。理由は、絵がダダ運動タイプにならないようにするためです。

「フジツボが怖い」と女性から聞いたことがあります。「フジツボは鋭くてケガしやすいけど毒はない」などと言ったら、「そうではなくて、びっしり並んだ状態が気持ち悪い」。そこで後日浜辺で確かめて、岩にツブが並んだ様子に「なるほどこれか」と納得。

ネットにはいわゆるグロ画像が多くあります。悲惨な事故現場やホラー系以外に、「集合体恐怖症」を引き起こす画像です。トライポフォビアと呼ばれ、フォビアとはギリシャ語で恐怖の意味です。日本のネットでは「ハスコラ」という俗名で一部に知られます。

ハスの花が咲いた後の実は、アシナガバチの巣に形が似て、種子入りの穴が集合体恐怖ごっこの入門だそうで。集合体恐怖症が強い人は、気分だけでなく体調まで悪くなるらしいのです。起きる原因は、危険物警戒説と疫病連想説が言われ、研究途上だそうです。

それで、何かがびっしり並ぶ作品を著者はひかえています。芸術は感じ悪いものですが、生理的な嫌悪感は次元が別です。ジェットコースターのスリルの中に、ゴンドラが落下して死傷者が出るショッキングは含めないで、分けて考える。芸術がもたらす不安も同じで、精神的な不安と生理的な不安は別でしょう。

現代アートに羅列系は急増し、集合体恐怖症にもの言わせた表現もみられます。表現の自由と称して、芸術とは異なる次元の嫌悪や恐怖に話をずらす。それに対して反発が増えたら、今度は話を芸術に戻して創造が理解されない不自由を訴える。これもダダ運動タイプの流儀です。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?