FC2ブログ

-
『あいちトリエンナーレ(3年ごとの定期展)』の『表現の不自由展』の論争で、ある性質に気づいた方がいるでしょう。批判と擁護の主張がぶつかることなく、常に次元が食い違い続けている不思議です。

アンチ民族プロパガンダに対し文句を言えば、「不当な取り締まりだ」「自由の束縛だ」「差別だ」と際限なく突かれ、この圧力は何なのかと疑問がわくでしょう。1995年の地下鉄サリンより以前の、「憲法が保証する信仰の自由を守れ」のテレビ論争とそっくり。

これが「アート無罪」です。まず現代アートには2種類あります。著者の世界初の提言で、20世紀以降のアートに限り「三大画家タイプ」と「ダダ運動タイプ」の2種類があります。前者はピカソらの奇抜な造形で、後者はピカソの特徴に引っかけた奇抜なトンチです。

後者はこういう作品です。彫刻展が開かれたとします。お客が行くと、なぜか展示室は空っぽ。「無に遭遇したお客の顔色がアートなのです」という主張です。ピカソよりぶっ飛んでいるでしょ、と。このタイプは今も国内現代アートの主流かも知れず。『便器』『流しそうめん大会』『占い』『ブラックボックス展』。

芸術の本質は、既成の概念を壊して表現の自由を広げること。挑戦する次元は2種類あり、造形に挑戦したのがピカソ。対してピカソの特徴の言葉どおりに、造形以外に挑戦したのがダダ運動タイプです。造形の外へ自由を広げた動機は、造形ではピカソを超えられなかったからです。土俵の外に戦場を広げ、場外乱闘に変えた。

『表現の不自由展』はダダ運動タイプであり、挑発的だからと規制するとピカソやダリも規制されます。国ごとに「XX無罪」があり、「アート無罪」と「表現の自由」は同じものです。この話より難しい芸術論は存在せず、現代アート最大の謎です。本書で何章も費やしました。

抽象絵画

61 売れっ子美術家の絵はなぜショボいのか
62 ゴッホはなぜゴッホになったのか
63 美術と怪談、感覚異常がつくる世界
64 現代美術はイカサマの詐欺か (タイトルエディット)
65 ダダ運動タイプ、現代美術のちりとてちん
66 三大画家タイプ、現代美術の変人たち
67 子どもに芸術はわかるのか
68 ヘレン・ケラーと抽象彫刻の世界
69 日本人はなぜゴッホが好きなのか
70 画家の目は贋作を見破ることができるか
71 夢路いとし・喜味こいしの漫才と芸術
72 ゴッホの絵はなぜ認められなかったのか
73 ボサノヴァの影と、ゴッホ『ひまわり』の陰影
74 文明は源氏物語よりも長生きか
75 芸術の反対語とマルセル・デュシャン
関連記事
スポンサーサイト



現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?