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一昔前に新聞社などがよく行った、謎のアンケート質問がありました。「あなたは憲法9条を変えるべきだと思いますか」。これにどう答えればよいのでしょうか。質問の中味を置き換えると、その無意味さがわかります。「あなたは自分の月給の金額を変えたいですか」。

変えると言っても、金額を上げるか下げるかが不明では、はい、いいえの希望を答えられません。このような質問が出てくる思考を、俗に文系脳と呼び称します。そして、一般に文系脳を最も強くイメージさせるのはこの言い方です。「今年は昨年の2倍多い」。

昨年が10個で、その2倍多いとは合計が何個なのか。合計20個になる解釈が文系脳で、30個が理系脳ではないでしょうか。理系脳は数学的発想であり、増分が元の2倍だから合計して3倍と考えます。文系脳は、そんな理系脳の理屈っぽさに閉口し嫌います。

ところが文系と理系の違いは、実はその後の瞬間に顕著です。「2倍でも3倍でも同じでしょ」「伝えたいことはわかるでしょ」。世界を詩的にながめる文系脳と、物理的にながめる理系脳の対立です。中が入ったスプレー缶をどう捨てるかも、文系理系の差異が出そうな予感。

それなら文系脳と理系脳のどちらが、美術、芸術、アート類に理解力があるのか。これは互角と思われ、芸術系脳を別にイメージした方がよさそうです。美しいものを愛でるよりも、創造的な形態を愛でる脳のはたらきでしょう。芸術系脳は独立した第三の世界観です。

文系、理系と芸術系などの分類は、個人を色分けするためのものではなく、実は一人の中に同居する成分です。個人の脳はそういう切り替えに応じられ、混線しつつ思考の広がりがつくられます。美術制作でも美術鑑賞でも、そうした複雑な世界認識で広がりが生じています。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?