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「日本の景気は悪くなるばかりだ。各家庭の台所も切り詰める限界だ。今の政治は全くだめだ。国民の暮らしを優先した社会を実現したい」。こうして庶民の味方となって闘う情熱家も、実はめちゃくちゃな勘違いをやっています。どこが勘違いか。「優先」が勘違い。

何を優先するかは、パイの分け方の話です。たとえるなら登山で遭難して、山小屋で食料を出し合い分け合う感覚ですね。つまりお金の総量が一定の前提です。この感覚で、公務員の給与を下げ、医者の薬価も減らし、浮いたお金を子育て支援に回す発想が出やすい。それは奪い合いです。困る人を取り替える椅子取りゲーム。

分け合う発想がなぜ勘違いなのか。政府だけがお金のプリンターを所持するからです。仮に山小屋の遭難グループに政府も含まれたら、食料はわいて出るから全員助かります。家庭と違い、国単位では限られたお金を取り合ったり、泣いてもらう人を決めたり、餓死した人の遺体を食べたりも必要ないのです。貨幣プリンターで刷れるから。

事業仕分けも勘違い。「二番ではだめですか」の失敗は、スーパーコンピューターの重要性の話ではなく、総量一定のお金を取り合いする思想が勘違いです。「コンクリートから人へ」も無意味で、「コンクリートも人も」が正解でした。貨幣プリンターで刷れるから。

子育て支援も介護も、教育も道路改良も、小惑星探査も地方交付金も、美術館の補助も、全て同時に増やすのが正攻法です。フクシマも90年代に補強工事費を刷れば済んだ話。財政を共食いで考える人の多さは、貨幣プリンターの存在が抽象的な思考を伴うからか?。

実は緊縮財政を始めた1997年から、逆に国債発行は急増しました。が、政府小切手の財政出動は経費削減で省いたから無効化。これが海外に笑われた異次元金融緩和で、国債を日銀が買い取り、日銀当座預金の銀行分を積み増す奇行も。政府負債1100兆円のうち400兆円以上が山小屋の床下に眠るから驚き。
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Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?