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現代アート作品が、オークションで非常に高く落札したニュースが時々あります。デフレ不況でお金に敏感になっている日本のネットでも話題になり、でもピシッと焦点を合わせて語る人は少ないようです。

多くの意見はこうです。「この作品は理解できないし、この高額も理解できない」「こんな意味不明の作品が気に入る人もいるんだ」「僕なら安くても買わない」など。「自分は自分、他人は他人」の決意が多い。しかしまれに的を射る人がいます。「自演買いでしょ」。

「ああ、そうか、そういうことなんだね」と反応する人もまれなのは、美術はやはり縁遠いからか。日本ではかなり多くの国民が、ピカソ程度の絵でも難解に感じるもの。「人の顔がなぜこうなるのかわからない」「理解するやつの気が知れない」となるピカソ絵画です。

程度の差はあれ世界中にこの傾向は残り、しかたなしに価格を頼りながら美術の良し悪しを推し測る反応は人類に共通します。これは「価値があるなしは人それぞれ」とはまた違う話です。値段が人の心をとらえる現実を利用して、素人を札束でひっぱたく説得力の話です。

高額の売買を自演し、芝居する業界の戦略があります。その購入資金を用意する国際金融や、アートのファンド部門が主役なのです。要は芸術の話題ではなく、投機の仕手戦の話題です。SNSのフォロワーを業者から買い、僕はこんなに人気者だと演出するのと似たやり方を、美術では組織的にやっています。

この販売促進手法はポピュリズムだから、立体派のピカソのようなトンデモは相手にしなかったはず。今このヤラセ売買を美術業界は敵視しません。作品全般の売買にプラスになる気運も生まれ、景気を上げる方向だから。仕込みの自演買いで損する者もなく、皆が放置します。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?