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スペインのプラド美術館にあるピカソの『ゲルニカ』は、日本の新世代に理解者が多い絵です。牛や馬や人の絵だと判別でき、「それは何?」に答が出せる絵でもあるし。基本的にピカソの絵は抽象的な具象画であり、抽象画家の中で最もわかりやすい。

『ゲルニカ』を戦争の表現法で考えると、ナチスの戦闘機にスペインの町が空爆された被害状況です。あの場面は実際にあったわけではなく、具象を崩したわけでない空想画です。その図は新しい戦争でもあるし、古典的な戦争でもある。

『ゲルニカ』の戦争の新しさは、古典名画のような「兵士が刀を振り合う」「人民が銃をとった」と違う点です。科学的な機械兵器で機械的に空から爆弾を落とし、被害者は無防備の町民です。兵士ではなく一般人を攻撃する時代の始まり。

同時に『ゲルニカ』が古典的にも映るのは、目視できる光景の風景画だから。ところが2020年以降は戦争が抽象化し、目に見えず音も出ない可能性が高いのです。ドンパチやらない。戦争の目的は領土の争奪ですが、奪い方が昔とはもう変わったから。

スイスで想定された情報戦があります。相手国の領土を奪うには相手の政界に人を送り、国の法律を変えさせます。スパイ法を廃案にしたり。援護射撃は弾丸でなく情報で、テレビからネットへ。映像と言葉で相手国を操作します。「国が伸びる時代はもう来ない」とネットで繰り返して、相手国民を自暴自棄に追い込む暗示効果とか。

前にIT戦で、アメリカの原子力空母が話題になりました。船体の操縦ソフトがWindows2000だったから。プログラムを壊されたら負け。空母が買えない貧困にし向けるには、通信用中継ターミナル製品を軍部が監修し、相手国の技術を盗聴して産業をつぶす。絵にならない陰湿な戦争からは、画家も鑑賞者も離れていくでしょう。
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Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?