FC2ブログ

-
ネットによく出てくる美術ニュースは、内外の絵画に起きた事件です。絵が白昼堂々と盗まれたとか、オークションの高値記録だとか、名画の由来が解き明かされたおもしろネタなど。そんなニュースのコメント欄に意見が集まると、次のような対立がよく起きます。

「現代アートがわからない日本人は多いね」「わかるように作らないから当然でしょう」。これがよくある、わかるわからない論争です。ところが多くの場合、わからないアートとは抽象絵画や彫刻を指します。具象作品を指すことはまずないでしょう。

つまり「わかるように作る」とは、モチーフを判別できるように、具象作品にとどめる意味です。「これは何?」に対して、「商店街の風景」「池に浮かぶ葉」「パンダの顔」と、すぐに言える絵をかいて欲しい要望です。答を言えない絵はアウトというわけ。

僕は絵なんてわからないという人に、こうたずねたくなります。「わからない具象画はどれですか」「わかる抽象画はどれですか」。果たしてどんな回答が出てくるか。こんなふうにたずね返した者は、世界に何人いたのでしょう。

私たちは芸術の基礎は具象と思いがちですが、「ピアノ協奏曲」の音も「クリームシチュー」の味も抽象的です。陶芸茶碗も全てが抽象です。例外的に、絵画と彫刻にだけ具象カテゴリーがあります。絵と彫刻のみレアケースになっています。

クリームシチューの味が何と一致し、何を意味するかは、実はいらない追求です。いらない分析で正体を読み取る鑑賞法が、美術に限って日本に限って多い。欧米に少ないことがわかりました。あちらの美術市場に活気があるのは、単純に鑑賞する時のハードルが低いからでは。
関連記事
スポンサーサイト



現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?