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親殺しのパラドックスは、タイムマシンの話題です。タイムマシンで過去へ行き、自分の生みの親を殺せばどうなるか、という思考実験です。思考実験だから、物理的や社会的な実験は行わず、脳内で仮想的に実験します。『シュレディンガーの猫』が猫を毒殺しないのと同じ。

30才の男が、タイムマシンで35年前へ行きます。自分を産む5年前の母親を見つけて殺せば、自分を産めない。しかしそれが実現すれば、自分は世に存在しないことになる。ならば実現させるこの自分はいったい何者かと、因果が堂々巡りして矛盾するわけです。

SF小説や映画などでは、現地で殺すのに失敗し続けるとか、将来母になる人を愛して別れるハッピーエンドなどでつじつま合わせし、矛盾を消します。しかし殺せない物理的な法則はないから、そのケース限りの偶然のオチであり一般論にできません。

しかも「バタフライ・エフェクト」なる因果の無限波及性があり、過去と現在の不整合は必ず発生します。間接的な影響が未来をも変えてしまうのは確実ですから。知らない息子が来たと知った母は、出会わずとも動転して事故や病死したり、後に死産となるかも知れず。

この親殺しのパラドックスは、永遠に解けない謎の代表格にあげられます。でも著者に言わせれば、仮定が間違っているだけの話です。「タイムマシンで過去へ行くと」の時点で間違っているから、論理矛盾するだけの話です。自分が世界を壊した結果、なぜか世界が壊れた。その壊れぶりに、自分が首をかしげてどうする?。

タイムマシンでなくても、「翌日が前日なら何が起きるか」と仮定しても同じことです。仮定がエラーだから、結果もエラー。自分が嘘を持ち込んだ結果を、「嘘みたいなことが起きる」と不思議がる不思議。この現象は抽象美術がわからない心理と似たエラーです。「永遠の謎だ」と言うデマにだまされちゃだめ。自らが混乱させただけで、謎はない。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?