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イギリスが死刑を廃止した原因は、凶悪犯罪者を処刑した事件でした。後で真犯人が現れた。この時イギリス人は、誰かのミスで別人を死刑に処したとは考えなかったのです。誰もが正しく行動したあげく、別人を死刑に処したと考えたのです。

警察官や検察官や裁判官が適切に仕事をしても、人違いの処刑は起きるとイギリスは悟った。再発防止は死刑制度をやめる以外にないのだと、真っ直ぐな思考を優先させたのです。長い懲役刑は出費が増えるから、裕福な国だった背景もあるでしょう。貧困国なら無理な話。

日本では冤罪が起きる理由は誤解されていて、事件を担当する組織がたるんでいてミスが起きるとした、間違った分析が出回っています。この分析の間違いに関して、本書で一章を費やして詳しく解説し、奇想天外な結論も加えています。

国民のばくぜんとした解釈にも間違いがあります。「昔は冤罪がよく起きたが今は少ない」という感覚です。「昔はゴッホのような隠れた名画家がいたが、今はいない」の声とそっくり。これは単に、発覚するのが未来だから、今の自分たちの目が百点だと思っているだけ。

日本で最近インターネット犯罪捜査で4人を次々と逮捕して締め上げ、自白調書の収録も順調に進んだ事件がありました。やがて犯人は全く別人とわかりました。警察批判でネットは炎上し、冤罪は今も普通にあると悟った国民も多かった。

手抜かりも一応あります。車メーカーN社の外国人会長の件では、中東の収賄容疑側への事情聴取が省かれ、海外ニュースで批判されました。一部の話だけ詳しく聞く慣習は、早合点や結論ありきに傾く天然知能の欠陥です。調べる対象を狭くするほど間違いが増える現象は、芸術とは何なのかを解釈する時にも起きます。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?