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日本のデフレ不況時代を生き延びた雑誌『月間ムー』の、創刊40周年記念セレモニーが話題になりました。幽霊、UFO、宇宙人、未知の生物、謎の未解決事件など新旧ネタを次々と紹介し、超常現象と陰謀論で説明をつけるという、楽しくもやばい内容の雑誌でした。

深夜に天井裏で足音が鳴る場合。幽霊の通り道だという説明と、他人が隠れていた刑事事件とも記し、「信じるか信じないかはあなたしだい」で締めくくる趣向です。偽書のほのめかしを兼ねて、自分が信じたいものが真実だとする自由奔放の快楽が、人気の秘訣らしく。

「あなたが目撃したUFOにも宇宙人が乗っている」「教祖である尊師の空中浮遊術は、この修行の成果だ」「水爆で発生させた東日本大震災は、日本を中国の格下へ弱体化させるアメリカの工作」「世界の誰も知らない極秘情報を、あなたは知ったのだ」と。

『月間ムー』は中国なら禁書のはずで、以前宇宙人の遺体をネットで見せた者は、警察に摘発されラバー人形を押収されました。中国共産党は民主化にも通じる人民の扇動を危険視し、デマで人心を釣るカリスマの出現に警戒しています。一方、日本ならウソつきは合法です。

世界を上手に釣った本は、1902年頃にロシアの秘密警察が作成したという『シオンの賢人による議定書』が筆頭か。内容はユダヤ人の偉い人たちが誓った、世界全体を支配し私物化する密約です。大受けして、ユダヤ人殺害が世界的流行へ。血液型性格分類と似た効力。ヒトラーも本を支持したから、今のドイツでは発禁でしょう。

『シオンの議定書』は著作権がないから日本で何種も発売中で、日航機墜落や大地震の黒幕はユダヤだとの陰謀論もその感化です。シオン本は偽書だとの警告本が外国から出ましたが、「ウソを信じる自由を守れ」と日本からやばい反論がありました。地下鉄サリンの前兆と似た空気。そんな自由奔放が美術鑑賞でも発揮できるかは、あなたしだい。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?