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1995年の地下鉄サリン事件など、世界で唯一日本だけで記録された化学兵器テロに、法務大臣が一区切りつけました。日本国はテロ殺人に譲歩しないとの姿勢を国際社会に宣言したかたち。ネットに関連記事が増加中で、政党人脈も含めて利害関係者が多い事件です。

毎度気になるのは、被害側か加害側か一方に入れ込む部外者の排他性です。殺された側の味方か、殺した側の味方かに国民は分かれ、水と油の関係です。両方に同情し、両方を慕う部外者はいません。

被害側に同情する者は、普通の会社員に近い位置でしょう。通勤列車の6300人が化学兵器で重い障がいを受けた。やや重かった13人は死んだ。やはり皆さん類は友を呼ぶように集まり、自分に近い立場を応援します。

加害側に同情する者は、やはり被害者に冷淡でした。縁故感情の怖さでもあり、よしみで抱く関心と好感に反比例して、友の敵は敵だとして憎悪を燃やす。犠牲者が多い事件ほど、被害者を痛めつける先鋭的な極論が増える傾向がみられます。

「今も解明されない事件の闇がある」とよく聞きます。放送局や政党がらみの日本打倒の陰謀論ではなく、毒ガス殺人の遂行に決定的な動機がない不合理を指摘する声です。とはいえ闇は外部にあるわけではなく。闇とは、関心が片方だけに向くヒトの脳のはたらきを指します。

被害側と加害側に分かれて闘う部外者たち。これがテロの構図と同じです。自分に近い者を愛し、そこに命をかけテロを起こす。核心部に来ると分析が鈍る原因は、愛の思慕がテロの動機だからというまさかのオチです。愛する者に尽くすために敵を倒したい、その心優しさがサリンをまいた動機であり、皆が知りたい闇の正体です。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?