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刑事裁判の場で、裁判官に対して黙秘した容疑者を、冤罪だと思う人はいないのではありませんか。第三者からみると、「この人は真犯人か、または犯人を知って隠している」とわかるからです。法曹界の弁「黙秘は罪に問われない」とは、全く関係がない話です。

黙秘は事実を伏せる行為なので、発覚すると困る立場である道理です。濡れ衣で黙秘はあり得ない対偶のロジックです。真犯人が今も逃走中だから詳しく話したくなるはずなのに、自分が真犯人だと知る立場ゆえ、調査妨害を始める脳のはたらきの話をしています。

一択で的中するこの怖いロジックに基づくひとつの応用が、スポーツのドーピング検査です。「この日までに検査に来てください」という五輪委員の要請に対し、重ねて拒否すると五輪メダルがはく奪されます。心証の話ではなく、拒否理由を問わずに没収。

「優勝者に対する無礼な命令で応じる気が失せた」「人種を理由にメダルを奪う差別に断固反対する」など、疑惑選手がマスコミを味方にする弁論を工夫しても、五輪委員は機械的に剥奪します。前もってロジックを勉強しているから、いちいちぶれない。

やっていない違反を疑われた者は、自分をよく調べてくれと言い出します。調査が詳しいほど、シロがばれると知っているから。逆に調べさせまいとすれば、クロがばれると知っている。第三者が首をかしげる必要もなく、証拠なしにわかる一択ロジックの妙は、まるで手品です。

似た道理は芸術にもあります。たとえば、わからない作品を称賛しないメカニズムです。音楽でベートーベンどまりの理解で、バルトークへの理解を演じてみせる者はいないという。人が作品を語る時は、見栄張りなしに等身大を演じると、本書で一択ロジックを明かしています。
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Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?