続・地球の本当の姿は本当はどちらか(後編)【反論に失敗する罪】
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?

「従来の丸い地球はウソで、本当はこのように歪んだ形である」と科学のウソを暴露した警告。その警告こそがウソだと指摘する科学関係者の反証はこうでした。「その歪んだ形はジオイドだから」。この短い一言は最悪でした。カタカナで煙に巻いているだけだから。
ジオイド面とは、地球の各部の重力強度と向きだけで決めた、重力地図です。いわば仮想海面。実際の地球は山あり海ありと変化に富み、ヒマラヤ山脈のように著しく出っ張る局地もあります。当然、ジオイド面は深い海底よりはるか上にあり、高い山頂よりはるか下にあります。ジオイド面は、地面とも海面とも全然違う人工の仮想面です。
そしてジオイド面は地形の凹凸を吸収して、ならしてしまう理屈です。現実の地球より起伏が100分の1と平らです。写真の左より、右のジオイドはつるんとしてなめらか。なめらかなら、なぜゴツゴツと歪んだジャガイモ形か。答は簡単ですね。凹凸を誇張してあるからです。高さのみ変倍して、高低差を強調しています。
写真左が地球の本当の姿です。右はESAのGOCE衛星データで計算した最も正確なジオイド、重力地図です。限りなく楕円体に近いから、高低のみ2メートルを4万メートルなど、何万倍にも拡大してボコボコに見せています。人の身長がエベレスト山4つ分ほどの拡大率で。
つまりジオイド、ジオイドと唱えても、ジャガイモぶりとは関係ない話です。デマを覆す一言は、「ジオイド」ではなく「縦倍率」です。なのに一年以上も、適切な日本語反証はひとつもなし。このジオイド立体図を発表したのは、NASAですらなく欧州宇宙機関で、日本語のフェイクニュースが次々と作られ、信じる人が続出しました。
ウソに反論し損ねる罪。連想したのは曜変天目茶碗です。業界が適切に説明すれば、国民は国宝級発見のデマに染まらず、陶芸のおもしろさを知ることもできた。本物と偽物の違いぐらいは、即座に説明できる心得があった方が、その分野は国民に信頼されるでしょう。
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