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この作品はドイツで売れると、簡単に予想できました。どの絵から売れるかは見当がつき、案の定同作者のプリントがベルリンで売れ、パネル画も売れ、現地刷りジクレーも。絵はがきもヒット。ほらねと。

その後少し難解な作風へ制作を進められた頃、てっきり日本でも売れていると想像していました。ところが、国内では反応が悪かったそう。

別の抽象画を見た画家先生の忠告は、「色数が多くて見て疲れる」「売れたいなら売れている画家を真似せよ」「ファンタジック表現は青を使うべし」だったそう。有名画家に似せ、国民が好む色で気を引くのは、日本向けの親身なアドバイスと理解できます。

でも色の多さが難点とは無茶で、浮世絵の極彩色の系譜と考えるべき。その後の大手出版社のコンテストでも、変な批判が続いたらしく。特徴を欠点と言ったり、ない特徴にマイナス評をつけたり。そして絵の美点をひとつも言えず、否定的なダメ出しばかりという。

後の具象画も「全く商品にならない」と門前払いだったそうで。そんなに狭き門なら、なるほど国内に確かな美術市場はないはずです。一社のみ「おもしろいかも」と、委託販売を引き受けてくれた朗報が救いでした。やるじゃん。

美術の生命は創造性です。パクリとは逆方向です。そして売れないものを売れば、市場は拡大します。売れた前例にこだわると、市場は縮小します。今がその状態でしょう。高額で数が出ずとも、知恵を使い年月かけて市場開拓した業界もあり、チョコレートがそうでした。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?