芸術の夜と呼ぶドイツのアート展【美術が市民の日常生活内で一般化】
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
欧米先進国では美術が一般化し、「難しい、わからない、ちょっと」と敬遠する連帯の空気はありません。そういう人がいても胸張らないし、現代アート作品は日常生活の中に普通に加わっています。それが美術の一般化という状態です。
一般化を背景としたイベントに、ドイツのライプツィヒ市の一本の道沿いで行われる「芸術の夜」という展覧会があります。夜がハイライトなのはわかるとして、展示会場は街路沿いにある民家やオフィスの一角なのです。そこに作品をざっと置くだけ。めちゃくちゃ身近。
日本で展覧会といえば、白い壁に白い布の、冠婚葬祭のようなおごそかな場ですが、ここでは普段の町中に作品を突っ込みます。教会の礼拝堂はましで、事務所ビルのロビー、家のガレージ、空き家、絵を庭木に吊したり、地面に寝かせたり。飾らずそっけない。
それが実験ではなく普通に行われる社会の下地が、美術の一般化です。現代アートは特別だからと山奥や離島へ持って行かず、生活道路の回りに置くだけ。人々は作品だけを見つめ、判断し議論し買うという。だから作品個々も、次元が違う高度なものです。
実は著者が募集した作品も加わり、一度日本から参加したことがありました。ところが直前になって、中止の知らせが入ったのです。ドイツ人の代理人がストリート沿いの地下室を手配しました。前日に搬入に当たった日本側が、あまりにひどい場所を見てショックで、作者たちを心配してドタキャンしたのです。
どれほどひどい地下室なのかは、結局わからずじまい。著者としては、「世界一ひどい美術展会場」でギネスブックにのるほどなら、記念写真ぐらいは欲しいと残念でした。会場の体裁にこだわる日本からこの地まで行くなら、整ったアート空間はいらない。二度とあってはならない、異常にすぎる展示場所こそ望むところだから。
一般化を背景としたイベントに、ドイツのライプツィヒ市の一本の道沿いで行われる「芸術の夜」という展覧会があります。夜がハイライトなのはわかるとして、展示会場は街路沿いにある民家やオフィスの一角なのです。そこに作品をざっと置くだけ。めちゃくちゃ身近。
日本で展覧会といえば、白い壁に白い布の、冠婚葬祭のようなおごそかな場ですが、ここでは普段の町中に作品を突っ込みます。教会の礼拝堂はましで、事務所ビルのロビー、家のガレージ、空き家、絵を庭木に吊したり、地面に寝かせたり。飾らずそっけない。
それが実験ではなく普通に行われる社会の下地が、美術の一般化です。現代アートは特別だからと山奥や離島へ持って行かず、生活道路の回りに置くだけ。人々は作品だけを見つめ、判断し議論し買うという。だから作品個々も、次元が違う高度なものです。
実は著者が募集した作品も加わり、一度日本から参加したことがありました。ところが直前になって、中止の知らせが入ったのです。ドイツ人の代理人がストリート沿いの地下室を手配しました。前日に搬入に当たった日本側が、あまりにひどい場所を見てショックで、作者たちを心配してドタキャンしたのです。
どれほどひどい地下室なのかは、結局わからずじまい。著者としては、「世界一ひどい美術展会場」でギネスブックにのるほどなら、記念写真ぐらいは欲しいと残念でした。会場の体裁にこだわる日本からこの地まで行くなら、整ったアート空間はいらない。二度とあってはならない、異常にすぎる展示場所こそ望むところだから。
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