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美術の本物や偽物を言うには、真物か贋作か以外に、芸術的に本物か、芸術ふうニセモノかという論点もあります。創造か非創造か。本書でも何度か出てきますが、芸術上の本物は完ぺきとは感じさせず、むしろ欠点が目立つものです。

たとえるなら、鰹節。かつおぶしは日本のスーパーでは、重さの割に価格が高い商品です。だいたいが乾物は意外に高額で、浅草のりなども量の割に高くて、実質はぜいたく品です。

本物のかつおぶしは石のようなカチカチの塊で、かつおの肉をいぶしてカビを生えさせた発酵食品です。その秘伝の部分で生じる二つの毒性が引っかかり、フランスではかつおぶしは日本製のみ輸入禁止で、本物の和食がつくれない問題がありました。本物は毒だって?。

しかも台所を預かればわかることですが、かつおぶしの粉末が流し台に落ちてぬれると、意外に生臭い。これはノリやコンブも同じです。本物の高級な乾物類は磯の香りが強いから、ちょっとという声も。現代っ子の魚嫌いの理由も、小骨以外にこの魚介類の、生き物の香り。

カニ風かまぼこより本物のカニは生臭いし、本物のカステラやドラ焼きも、鶏卵を多く使った自然食品なので同様。本物の香りに日本人は平気でも、中国では耐えられない人が多いニュースがありました。カステラやドラ焼き、大判焼きが向こうでは不人気らしく。

ポークソーセージやチーズも、味がまろやかな本物は香りにトゲがつきもの。納豆は少し違うかも。慣れないと香りでブレーキがかかり、入口で棄権することに。美術にも似た性質があります。傑作はトゲがあり、目に毒だったり、スムーズで抵抗のないクリーンな良品とは違うもの。だからか、歴史名作はどれも生理的にダメという人もいます。
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
Posted by現代美術はインチキの詐欺ってホント?