第8集 芸術の特徴は表現の裂け目である
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現代美術はインチキの詐欺ってホント?
『芸術の特徴は表現の裂け目である-芸術に近づき理解するためのQ&A-美術鑑賞のよくある疑問と回答集8』
私たちが美術に距離を感じるのは、作品がわからないだけでなく評価基準がわからない理由もあります。傑作の根拠が一貫せず、収拾がつかない問題です。たとえばルノワールとゴッホを、言葉で語り分けた評論はまずありません。ゴッホとポロックも。
芸術の特徴は「表現の裂け目」と宣告し、この問題に終止符を打ちました。ゴッホの絵と楽焼き茶碗で、芸術性の評価軸が全然違うのはおかしいから。具象画への称賛「一瞬写真かと思った」は、抽象画には使えません。別の作品には無効の言葉で、永遠の価値は言えないはず。
「もうアートなんてたくさんだ、わけがわからないものばかりで、頭がパンクしそう」式の現代アート批判は、傑作の根拠を個々に覚えて回る勉学の苦痛もあります。美術の評価基準の乱立が、国民を美術に立ち入れなくしている損失です。
表現の裂け目を意識して探せば、なーんだそういうことかと足が地に着きます。人類の美術名作史は、裂け目がある表現を好んで選択してきたと気づけば、新作美術も楽しく鑑賞できるよう脳のはたらきが変わるでしょう。

106 絶対に儲かる投資と絶対に儲かる絵画
107 クラシック音楽がわからない場合
108 日本の美術公募展の問題
109 名作から出るオーラの正体を追え
110 一夜で白髪に変わってしまう怖い作品?
111 鏡はなぜ左右だけが逆に映るのか
112 テレビ番組はなぜつまらないのか
113 具象画はわかるが抽象画はわからない
114 芸術は手で作らず目で作る (旧タイトルエディット)
115 日本で抽象絵画は差別されたのか
116 STAP細胞騒動を芸術的に混乱させた一語
117 ブラックボックス展批判はなぜ失敗するのか
118 東日本大震災の幽霊と芸術の霊的なもの (旧タイトルエディット)
119 芸術の特徴は表現の裂け目である (新タイトルエディット)
120 仮想通貨と美術はどちらが危険な買い物か
(2018年5月4日までの旧版)
『東日本大震災の幽霊と芸術の霊的なもの-芸術に近づき理解するためのQ&A-美術鑑賞のよくある疑問と回答集8』
幽霊の話題は、「いるかいないか」の存在論に向かいがち。「いると信じる」「いるわけがない」に分かれて空論のたたかい。なぜ空論かといえば、現場の感覚に終始するから。誰にもつかまえられず、本物認定は過去にゼロ。詳しく調べるとフェイクだけ残って。
東日本大震災のあの幽霊研究論文は、サイエンスではなくフォークロアの視点でした。見える感じる体感を皆で共有し、故人を大切に位置づけて暮らしと慰霊をつなげる。新鮮な切り口というより、古来がそうでした。「幽霊は実在する」と物理の話にして、霊は害悪へと寝返った。
ならば芸術なるものは「実在する」と言えば、作品のどこに宿るのか。そんなものはあるのかと、霊と似た疑問が出ます。ある美術作品に霊的な何かがあると言えはしても、造形の刺激がもたらす脳の反応なのか、それ以上の何かがあるのか、古来あったのかは謎です。
(2017年10月27日までの旧版)
『芸術は手で作らず目で作る-芸術に近づき理解するためのQ&A-美術鑑賞のよくある疑問と回答集8』
作品を見る時、正確で細かい手仕事に現代人は芸術らしさを感じます。芸術品とは手が器用な作品を指すとのおぼろげな認識は、世に広まっています。しかし歴史の淘汰で残った名作は、それとは反対です。ゴッホもポロックも、精度が高いわけじゃなく逆に低いし。
微細であれ逆に大振りであれ、筆を完ぺきに動かせても芸術の創造には至らないとすれば・・・。しかしそのメカニズムは知られていなくて、何となく手の技能と創造性は比例するイメージに引っ張られます。
画家と目の関係と言えば、確かな観察力やレイアウトのバランス感覚などにもそれやすく、鑑賞の糸がからまる要因でしょう。万能な手が芸術の免許皆伝の科目にないとすれば、何が理由でどこにどう芸術が宿るかは都市伝説に戻ります。起きている現象は、人類が上り途中にあるか、下る過程に来ているかの、大きい話にもつながっていきます。
私たちが美術に距離を感じるのは、作品がわからないだけでなく評価基準がわからない理由もあります。傑作の根拠が一貫せず、収拾がつかない問題です。たとえばルノワールとゴッホを、言葉で語り分けた評論はまずありません。ゴッホとポロックも。
芸術の特徴は「表現の裂け目」と宣告し、この問題に終止符を打ちました。ゴッホの絵と楽焼き茶碗で、芸術性の評価軸が全然違うのはおかしいから。具象画への称賛「一瞬写真かと思った」は、抽象画には使えません。別の作品には無効の言葉で、永遠の価値は言えないはず。
「もうアートなんてたくさんだ、わけがわからないものばかりで、頭がパンクしそう」式の現代アート批判は、傑作の根拠を個々に覚えて回る勉学の苦痛もあります。美術の評価基準の乱立が、国民を美術に立ち入れなくしている損失です。
表現の裂け目を意識して探せば、なーんだそういうことかと足が地に着きます。人類の美術名作史は、裂け目がある表現を好んで選択してきたと気づけば、新作美術も楽しく鑑賞できるよう脳のはたらきが変わるでしょう。

106 絶対に儲かる投資と絶対に儲かる絵画
107 クラシック音楽がわからない場合
108 日本の美術公募展の問題
109 名作から出るオーラの正体を追え
110 一夜で白髪に変わってしまう怖い作品?
111 鏡はなぜ左右だけが逆に映るのか
112 テレビ番組はなぜつまらないのか
113 具象画はわかるが抽象画はわからない
114 芸術は手で作らず目で作る (旧タイトルエディット)
115 日本で抽象絵画は差別されたのか
116 STAP細胞騒動を芸術的に混乱させた一語
117 ブラックボックス展批判はなぜ失敗するのか
118 東日本大震災の幽霊と芸術の霊的なもの (旧タイトルエディット)
119 芸術の特徴は表現の裂け目である (新タイトルエディット)
120 仮想通貨と美術はどちらが危険な買い物か
(2018年5月4日までの旧版)
『東日本大震災の幽霊と芸術の霊的なもの-芸術に近づき理解するためのQ&A-美術鑑賞のよくある疑問と回答集8』
幽霊の話題は、「いるかいないか」の存在論に向かいがち。「いると信じる」「いるわけがない」に分かれて空論のたたかい。なぜ空論かといえば、現場の感覚に終始するから。誰にもつかまえられず、本物認定は過去にゼロ。詳しく調べるとフェイクだけ残って。
東日本大震災のあの幽霊研究論文は、サイエンスではなくフォークロアの視点でした。見える感じる体感を皆で共有し、故人を大切に位置づけて暮らしと慰霊をつなげる。新鮮な切り口というより、古来がそうでした。「幽霊は実在する」と物理の話にして、霊は害悪へと寝返った。
ならば芸術なるものは「実在する」と言えば、作品のどこに宿るのか。そんなものはあるのかと、霊と似た疑問が出ます。ある美術作品に霊的な何かがあると言えはしても、造形の刺激がもたらす脳の反応なのか、それ以上の何かがあるのか、古来あったのかは謎です。
(2017年10月27日までの旧版)
『芸術は手で作らず目で作る-芸術に近づき理解するためのQ&A-美術鑑賞のよくある疑問と回答集8』
作品を見る時、正確で細かい手仕事に現代人は芸術らしさを感じます。芸術品とは手が器用な作品を指すとのおぼろげな認識は、世に広まっています。しかし歴史の淘汰で残った名作は、それとは反対です。ゴッホもポロックも、精度が高いわけじゃなく逆に低いし。
微細であれ逆に大振りであれ、筆を完ぺきに動かせても芸術の創造には至らないとすれば・・・。しかしそのメカニズムは知られていなくて、何となく手の技能と創造性は比例するイメージに引っ張られます。
画家と目の関係と言えば、確かな観察力やレイアウトのバランス感覚などにもそれやすく、鑑賞の糸がからまる要因でしょう。万能な手が芸術の免許皆伝の科目にないとすれば、何が理由でどこにどう芸術が宿るかは都市伝説に戻ります。起きている現象は、人類が上り途中にあるか、下る過程に来ているかの、大きい話にもつながっていきます。
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